
マンションの築年数ごとに売却相場を紹介!高値で売れるのは築何年?
マンションを売却する際、築年数によって価格が大きく異なります。
一般的に築年数が経つほど売却価格は下がりますが、立地や管理状況、大規模修繕の有無 などによっても変動するからです。
そのため、築年数ごとにマンションの売却相場や売却時のポイントなどを解説しています。
マンションをできるだけ有利な条件で売却するコツが分かりますので、ぜひ最後までご覧ください。
マンション売却価格に築年数はどれくらい影響する?
一般的にマンションは築年数が経つほど資産価値が下がり、売却価格も低下する傾向にあります。
マンションは土地と建物で分けられますが、土地は劣化しないため、年数が経過しても資産価値が下がりません。
一方で、建物は経年劣化することで資産価値が下がります。資産価値が下がるということは、マンションの売却価格の低下に影響するということです。
下のグラフは首都圏における中古マンションの築年数別の平均売却価格を示しています。
引用:REINS TOPIC|築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2023年)
グラフを見てわかる通り、築年数が経過するほど売却価格が下がっていきます。
たとえば、築5年以下のマンションは約7,000万円ですが、築26年を経過すると半分ほどまで下がっています。
築年数ごとのマンション売却相場を紹介
ここでは築年数ごとのマンションの売却相場を紹介します。
売却価格とともに、築年数ごとの傾向や特徴、売却時の注意点なども解説するので、売却を考えている方は参考にご覧ください。
築5年以下のマンションの売却相場
築浅で最新設備が充実しており、内装の劣化もほとんど見られない場合、売却価格は新築時から大きく下落することはないでしょう。
しかし、築5年以下のマンションを売却する場合、譲渡所得税の税率が高くなります。
譲渡所得税とは、不動産を譲渡したときに得る利益に対して課税される税金のことです。
売却価格ではなく、利益(譲渡所得)に対して課税されるため、購入価格や諸費用を差し引いて計算されます。
譲渡所得税は不動産の保有年数によって税率が異なります。(※)
保有年数 | 所得税 | 住民税 | 合計 |
5年以下 | 30% | 9% | 39% |
5年以上 | 15% | 5% | 20% |
保有年数5年以下の場合、5年以上の場合と比べると税率がおよそ2倍になります。
築5年以下のマンションは保有年数も5年以下なので、合計39%の税率で譲渡所得税が課税されるということです。
※参考:国税庁|「暮らしの税情報」(令和6年度版)
築10年以下のマンションの売却相場
築10年以下のマンションの売却価格は、築5年以下のマンションの売却価格から10%ほど下落する傾向にあります。
例外的に、神奈川県の横浜・川崎エリアは築5年以下のマンションよりも高値で取引されています。(※)
築10年以下のマンションの売却を考えている方は、できるだけ10年を超える前の売却をおすすめします。
なぜなら、10年を経過すると売却価格が少しずつ下がっていくからです。
また、築10年以内のマンションは住宅設備の劣化が少なく、買い手のニーズが高いため、高値での取引が期待できます。
※参考:REINS TOPIC|首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況
築20年以下のマンションの売却相場
築20年以下のマンションは、築5年以下のマンションの売却価格から25〜40%ほど下落した価格で取引されています。
築12〜15年を経過すると、大規模修繕工事を行うマンションが多い傾向です。
大規模修繕工事は外壁や屋上、水道管、バルコニーやエントランスなどの共用部分の補修を行います。
これは売却活動の大きなアピールポイントになるため、大規模修繕工事直後の売却をおすすめします。
また、給湯器など所有するマンション内の住宅設備は、築15〜20年が交換時期です。
同じタイミングで取り替えておけば住宅設備の不具合が無く、共用部分も補修後のきれいなマンションとして売りに出せます。
築30年以下のマンションの売却相場
築30年以下のマンションは、築5年以下のマンションと比較すると売却価格が45〜50%下落します。
特に築26〜30年のマンションは需要が少ないため、売却が難しくなる傾向があります。
築21〜25年のマンションの方が、築26〜30年のマンションより売却価格も成約率も高い傾向です。
そのためなるべく早期の売却をおすすめします。
築30年以上のマンションの売却相場
築30年以上のマンションは、築5年以下のマンションの売却価格から60〜75%ほど下落します。
経年劣化により資産価値が下がるため売却価格も下がるからです。
築30年以上のマンションは、耐震性や管理状況が購入希望者の中で大きな判断基準となります。
特に1981年6月以前に建てられた「新耐震基準」のマンションは、耐震補強工事の有無が売却価格に大きく影響します。
スムーズに売却するためにも事前に耐震性や安全性を確認しておきましょう。
マンションを売却するタイミングはいつ?
マンションはいつ売却するのが一番よいでしょうか。
マンションを高値で売却するためのベストなタイミングは、何を優先するかによって異なります。
たとえば、築年数が経過してしまったので早く手放したいという方は、成約率が高い時期に売却することをおすすめします。
マンションを売却するのに適した築年数について詳しく見ていきましょう。
高値で売却したい場合は築6年~20年
できるだけマンションを高値で売却したい場合は、築6〜20年がおすすめです。
前述したように、築5年以下は譲渡所得税が高いため、利益が上がっても税金を多く納めなければなりません。
一方、築6〜20年のマンションは、住宅設備の劣化が少なく、買い手の需要が高いため売却しやすい傾向です。
特に築10年以内であれば、買い手が住宅ローン控除を利用できるため、高値での売却が期待できます。
成約件数が多いのは築30年以上
売却価格は築浅マンションの方が高いですが、成約件数は築30年以上のマンションの方が多いという結果が出ています。(※)
大規模修繕工事やメンテナンスが定期的に実施されていたり、管理体制が整っていたりすれば築古のマンションでも売却は可能です。
※参考:REINS TOPIC|季報 Market Watch サマリーレポート
築50年のマンションでも売却することは可能
築50年のマンションでも売却はできます。しかし、高値での売却は難しいでしょう。
マンションは一般的に鉄筋コンクリート造が多く、その法定耐用年数は47年とされています。
マンションの法定耐用年数(47年)を超えると、税務上は減価償却が完了するため、資産価値がゼロと見なされるからです。
しかし、これはあくまで税務上の評価であり、実際の市場価値がゼロになるわけではありません。
実際、立地や管理状況が良好なマンションは、築50年を超えても売却できるケースがあります。
築年数が古くても売却しやすいマンションの特徴
築年数が古くてもマンション自体に魅力があれば売却しやすいでしょう。
売却しやすいマンションとは、耐震基準をクリアしていたり、立地が良かったり、買い手のニーズと合っていたりといった特徴があります。
売却しやすいマンションの特徴について詳しく解説していきます。
新耐震基準をクリアしている
新耐震基準は1981年に制定されました。これは、震度6強〜7程度の揺れでも建物が倒壊しないように設計された構造基準です。
新耐震基準は現在でも適用されており、1981年6月以降のマンションは新耐震基準で建てられていると考えられます。
この基準をクリアしていれば、マンションの耐震性についても安心できるでしょう。
また、金融機関では基本的に新耐震基準の建物であることを前提に、住宅ローンを利用できます。
立地が良い場所に建っている
マンションを買うときの基準の一つが立地の良さです。
人気のエリアや利便性の高いエリアなど、立地がいい場所に建っているマンションは、築年数が経過していても売却しやすいでしょう。
利便性の高いマンションとは、最寄駅から徒歩10分以内で、近くにスーパーや銀行などの生活利便施設や、学校や病院などの公共施設があるところを指します。
買い手のニーズとマッチしている
トレンドをおさえている、買い手のニーズにマッチしているマンションは、築年数が古くても売却しやすいでしょう。
また、人気の付帯設備があるのは買い手側にとって嬉しいポイントです。
IHクッキングヒーターやビルトイン食洗機、浴室暖房乾燥機など、便利な設備があれば快適に生活できます。
現代のトレンドに合わせてリフォームしたり、最新設備を導入したりすることで、築年数の古さをカバーできるでしょう。